今日は台風前ということもあって、かなりの蒸し暑さでございました。
そんな中、時間もなく行く事が出来ていなかった直方谷尾美術館で開催中の土門拳の写真展にようやく行く事が出来た次第であります
電車で約1時間ほどでございましたので、ゆっくりと行くつもりでいたのでありましたが、なぜかこんな日に限って、嫌な夢を見て、目を覚まして古い映画を見ながら朝の時間を過ごし、なんだか、疲れたまま出発したのであります。
土門拳は僭越ですが何か性格的なものが似ている気がして、憧憬も含めて大変に尊敬している写真家でございます。
歩いて最寄りの駅に向かうと働きに出ていく人たちとは逆の方向へと進みいくのであります。
電車の中は伽藍堂で田舎町の風景を夏の暑い濃い色の緑が焼き付けるように過ぎ去っていくので、ぼんやりとしていると寝不足のためかうとうととしているうちにあっという間に直方駅へと着いたのです。
直方駅に着くと横断幕が迎えてくれます。写真家の展示会は今の時代は地方の小さな美術館でしか開催されないので大変に遺憾であります。
それでも地方の美術館の方のおかげでこうして素晴らしい芸術家たちの作品をみることが出来るのは幸甚の至でございます。
直方谷尾美術館は直方駅からやく10分程度の近さでアクセスしやすい場所にあると思います。その間には風情豊かな、それでいて炭鉱の町として隆盛を誇り、時代の流れの中で取り残された切なさをも感じます。
この洋館が美術館なのでございます。良きですな。こういう歴史を感じる建物を大切にしながら今の時代に残していく意思がとてもいいものだと思っております。
美術館の中では基本的にわたくしはあまりスマホでは撮影しません。無粋でございますよね。
さあ、土門拳の作品を見にいきましょう!
作品群は仏像や寺院などの作品などに始まり、市井の人々を撮った作品、戦争、そしてポートレート。
仏像に関する写真作品はとても耽美的であり、自然光とは思えないほどの生々しい仏像の表情。人の肌質かとも思えるほどの生命力を感じさせる写真作品でありました。
わたくしが最も心打たれたのは「るみえちゃん」でありました。あまりにも苛烈なまでの切なさと悲しさをその目に訴えかけてくる写真でありました。
土門拳の作品を見た後は周囲の街並みも風情がありますので、是非とも来られた際にはぶらぶらと歩いてみることをお勧めいたします。
昔ながらの商店街はとても落ち着くシルエットでありながら、微かでありますがまだ人の息吹というものがちゃんと存在していることも感じられます。
しかしながら、今日は大変暑くて、写真を撮りながらも汗がダラダラと流れてきてしまうほど湿度が高かったので、来られるのであれば少しばかり涼しくなる季節が良いかもしれません。
土門拳の作品を楽しみ、ちょっとばかり歩いて撮影してみた良き日でございました。
帰ってきてからはシャワーを浴びてウヰスキーを飲んでゆっくりと休むことといたします
では、次の写真家の展示会の時はまた色々と描きたいと思っております。