今日はいつもの近所の海へ。
何年も同じところを撮っているとインスピレーションは湧いてこないものでございますが、この日は思い切って、違う場所へ行ってみようと思った次第であります。
浜辺から遠くに見える小島がございまして、あそこの近くまでどうにかしていけないものだろうかと思案しておりました。
36℃を超える炎天下の中、機材を抱えながら、車ではいけない場所のためひたすら数時間ほど歩き続けました。
汗はだくだく、ハッセルブラッドとライカと三脚とカメラバッグの重さに苦しみながら、来たこともない土地の風景が徐々に開けてまいりました。
鬱蒼とした松林の中をくぐり抜けていき、もう歩けないとへとへとの自分を迎え入れてくれたのは猫たちでございました。
「お、なんだお前は。ここまでよく来たな。ゆっくりしていけよ」
とばかりに暑い盛りを日陰で休んでいる先住猫たちが余裕たっぷりに歓迎してくれました。
今まで何十年も住んでいても、意外と知らない場所はあるものだなと思った次第であります。
何キロ歩いたかは分からないほどでございましたが、新たな作品作りのインスピレーションがドバドバと出てくるような風景に感動しつつ、疲れ切った体をまずは休めながら、撮影の準備に取り掛かりました。
すでに時刻は16時を過ぎていましたので、日は下がってきておりましたが、それでもこの日はとてもいい夕日が出そうな予感とともに、夢中でシャッターを切り続けられる、イメージを膨らませるものがありました。
予想通りいい夕日が現れてくれて、残光も素晴らしい風景をもたらしてくれました。
照り返しを受けた東側の雲も大きな入道雲が独特の存在感を示しつつ変化していく風景に心躍る気持ちを抑えつつフィルムに収めていく感動に浸っておりました。
遠くに撮影に出かけたのとは違い、近場ですぐに来れる距離に素晴らしいロケーションを発見すると宝探しでお宝を見つけたようなそんな気持ちになったりしないでしょうか?
ここは人も少なくしばらく作品作りに没頭できそうな予感がしております。
色々な角度からいくつもの風景を見ることができそうでもありますから、一年を通してこの場所にある永遠を見つけていこうと思っております。
帰ってきてからは、足はジンジン、肩も痛く、汗水泥だったので服も全て洗濯、すぐにシャワーを浴びてさっぱりしましたが、楽しいことがあるとそんな疲れも厭わない気持ちでいい気分で1日を終えることができるものであります。
写真は遠くに撮影に行くのもいいでしょうが、近場で宝を発見するのも楽しみの一つでございます