時々眠れぬ夜を過ごす方は多いと思われますが、わたくしなどは不安症のためか眠れぬ日々は幼少の頃より多く、いまだにその傾向がございます。
良い方向に事態が向いていたとしても不安が消え去ることはありません。
いつ何時この足元を揺るがすものがあるかと思い、いつも怯えております。
昨今は特に引き寄せの法則などスピリチュアル系のマインドをほめそやす風潮でございますが、わたくしにはそれができません。
わたくしにとって、この眠れぬほどの不安さえもわたくし自身が感じる大切な感情と思っておる次第であります。
この不安の只中にある時に、インスピレーションが降りてきたりいたします。
写真のイメージがふと湧いたり、主題としているものを写真で表現する方法、引き伸ばしに関してのアイデアなどが浮かんでまいります。
うまくいく言葉を使って、成功するように自分でしていかなければならないという風潮にも違和感を感じております。
経済的にも困窮していて、いつも不安に苛まれ、ネガティブな言葉を発してはおりますが、そこで自分と対話しているわけでありまして、成功が世間の考える経済的な部分のみならば、ポジティブな言葉で自分を奮い立たせもいたしましょうが、わたくしたちの成功はすでに叶っておりますので、写真作品を作り続けるという意味では、今持って成功し続けております。
わたくしは、痛みも苦痛も不安も全てが自分という世界を構築していくものでありますので、そこから目を背けることができません。
この苦悩に満ちた人生でさえ、捨て鉢になりながらも愛しているのでございます。
戦っているのでございます。そこからしかわたくしの写真は出来上がらないこともよく知っております。
だからこそ、静かな夜に眠れずにじっとこの苦悩を味わっているのであります。
自己満足ならば表現者として作品を作ったりはいたしません。自己満足で終わらぬように作品を作り続ける運命を受け入れておるのでございます。
そして今日も暗闇の中、じっとわたくし自身を見つめているのであります。
この苦しみを誰かに理解してもらうことなどはできません。してほしいとも思いません。
わたくしの中にずっと住み続けている心の奥底の大切なものなのです。
ここから手焼きでどう仕上げていくか色々考えます。