雨の日は、母の散歩もお休みですので、暗室で現像したフィルムの整理と確認をしております。
写真を撮られて一度の確認やSNSのアップだけで済まされておられるでしょうか。
わたくしは以前も申しましたとおり、現像日記をつけておりますので、フィルムの確認は最低でも5度ほどはいたします。
そんなに確認することがあるのかと思われましょうが、その時々にてフィルムから受ける印象は変わります。
何よりも最後の仕上げの引き伸ばしがありますので、そこでどのように焼くのかをイメージして使えるフィルムも探ります。
フィルムの時点でコントラストが強すぎるフィルムはあまり使えません。焼きによってコントラストをコントロールするのであります。
わたくしの場合、土門拳さんの写真の撮り方を参考にしております。
36枚撮りのフィルムの場合、被写体に対して同じ角度から(ライティングの影響もありますが)6枚づつ撮っております。そうすると、6×6×6×6×6×6になりますので、被写体を一つのオブジェとして捉えておけます。
ブローニーの場合でも同じように撮ります。要は駄作を36枚撮るなということであります。
もったいないと思って36枚をバラバラに撮りためていくことは非生産的な撮り方であります。
36枚撮り12枚撮りの中から一枚のダイヤモンドを作ることを常に念頭に置いておかなければならないのであります。
引き伸ばしは一枚を焼くのにさっさと現像液につけて終わりと思っておられるかもしれませんが、ストレートに焼いてできる作品の方が稀であります。
ほとんどのフィルムは部分部分によって露光時間を変えなければなりませんし、テスト焼きも一枚一枚について行いますので、夏場に引き伸ばしをするのはなかなか骨が折れます。
それでも雨の日に暗室にこもってフィルムを熟成させるのは大変楽しい時間でもございますので、フィルム写真をやられるとしたらそんな楽しみもございます。
フィルムの熟成を、タバコを吸いながらや、ウイスキーを飲みながらなど各々の楽しみ方で見つけるのも良いと思います。