現在、長崎県美術館での個展に向けて鋭意作品を制作中です。
表題に掲げた フォマレトロパンとはフィルムの名前ですが、これがなかなかの曲者なフィルムなのです。
現在市場で販売されているものはシートフィルムと呼ばれる大判用のフィルムのみとなってしまいました。
フィルムにはサイズがあり、35mm判。これは若い方でもなんとなくわかる人もいるかと思いますが、細長ーーい24枚撮りとか36枚撮りのフィルムです。
中判サイズと呼ばれる120判、ブローニーとも呼ばれるフィルム。これは6✖️6サイズでコマが分かれて撮影することができ、真四角の写真が取れます。35mmは若干横長です。真四角でなおかつサイズが35mm判よりも大きいので迫力がありますよ。構図も撮りやすいと言われています。
最後に大判サイズ。これは色々なサイズに分かれていますが、煩雑なので割愛します。後々ブログでも書いていこうと思います。
フォマレトロパンというフィルムは最後の大判用というサイズのみとなってしまいました。
数年前までは全部のサイズが販売されていたことを思うとなんともフィルムの世界はどんどん縮小化されていますね。
自分はこのフィルムが大好きです。どれくらい好きか?そうですねえ、、、現像をあげたときにブフブフという気味の悪い笑いをあげるくらいでしょうか笑笑
フォマレトロパンはクセがあると書きましたが、具体的にはどのようなものでしょうか?という疑問が湧いてくるかと思います。まずは撮影の段階からある程度の理解が必要です。それは何かというと全然写ってない!!!というフィルム写真にはよくあることですが、デジタルにはほぼない現象が現れます(笑)
このフィルムの公称感度というものがあります。ISOとかASAとか言われるものですね。カメラ自体が初めての方はなんのこと?と思われますよね。撮影するときに光をどれくらいの基準で取り込みますよみたいなものですが、このフィルムは公称感度までおそらく到達しません(笑)
自分が使っていて写真としての仕上がりを思うと80から125あたりまでが限界と思います。それ以上になると黒潰れしたりなどが多くなります。
そして何よりも厄介なのが現像です。現像時間はあくまでも参考値です。このフィルムの場合は特に。昨日も現像をしておりましたが、10分経っても真っ黒。15分では薄く、20分でやっとのことできました。この原因はISOを80あたりで撮影したものと思われます。100前後の時は10分あたりで潜像が現れます。かなりの枚数を仕損じました。
フィルムはまさに探求に次ぐ探求です。自分しか見つけることができないものがきっとあります。
そこに至る道は長く険しいものですが、デジタルには到底味わうことができない領域です。
個展に向けて日々探求の道を模索しております。
フィルム写真をする仲間が増えていくことは自分にとって嬉しいことですので、是非ともフィルムを人生の中に加えてもらうことができたらと思います。