白黒写真。
モノクロ写真。
わたくしがカラー写真を撮らなくなったのは、自分の作品として完全なものではなかったからであります。
まだ、カラー現像どころかモノクロについての現像においても知識が乏しく信頼できるラボにて現像をお願いしておりました。しかしながらこれは本当に自分の作品として呼べるのだろうか?と疑問に思い、現像についてしっかり勉強していくことにしたのです。
一から十まで自分の手で行ってこそ、自分の表現でありますれば、フィルム写真を扱う以上はプリントまでの作業は一貫するべきだと思うのです。
海外ではダークルームドクターと呼ばれる職種がございます。まさに字の如く、暗室作業を行う方でありますが、作品についてはそのかたの名前を表記することが前提であります。
つまり写真家何某が撮った、ダークルームドクターの何某によって作成されたという共同での作品となるわけであります。
アンリ・カルティエ・ブロッソンなども現像はラボに委託していたと言われたおります。しかしながら作成者についてはブロッソン名義であります。
こういった風に日本でもラボに現像しても作品自体については写真を撮ったものに依存され、現像やプリントの技術に関してもおざなりにされている感は否めません。
現像や手焼きの技術は、知れば知るほどに深くそして難しく、楽しくて仕方がありません。
写真自体の、どこを撮ったかなどに注目されがちですが、何気ない日常を撮り、いかに自分の表現したい主題に沿うものを作れるかが大切であるかと思っております。
そしてモノクロは全てを削ぎ落として、本質を表現するのに適したものであること。
本質を写し出そうとする行為に色は必要ないわけでありますから、白と黒さえあれば充分でございましょう。
デジタルとフィルム写真の比較や対立については、もううんざりするほど聞いてきましたので、意味がないものと思っております。表現技法自体の違いであります。それで良いではありませんか
自分の作品ではないと感じてもいるのでなんだか複雑ではありますが、
なんだか、今日はモノクロ写真について話したい気分でありました。(載せるのはカラー写真でありましたが。。。)
少しばかりうっとしい説明をしてしまってご容赦下さい。
モノクロ写真の楽しさをいろんな方に知ってもらいたいと常日頃から思っておりまして、現像や手焼きについてもニッチな趣味ではあるのでしょうが、デジタルとフィルム写真のジャンルを完全に分けた状態で表現をする自由を日本でも行いたい気持ちがあるので、こういった媒体によって試行錯誤しております。
モノクロフィルム写真がこれからも文化として残っていけるように微力ではありますが、情報を発信したいと思っておりますので、これからも読んでいただけると幸いでございます。