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脇役達の閑話

主役である現像液達の傍でひっそりと大切な仕事をしているもの達がおります。

停止液・定着液でございます。

どうしても現像液にスポットライトが当たることが多いものですが、その影でがんばっているもの達がいるのはどこの世界でも同じであります。

停止液は名前の通り、現像プロセスを止める液剤でございます。

定着液は、これまた名前の通り、現像プロセスを定着させる液剤であります。

しかしながら、この二つがなければ、現像という総称には至ることはありません。

現像を始めたばかりの頃は、停止液は何を選べばいいのやら、定着液はどうしたらいいのやらと数多くある製品からどれが最適なものなのか見当もつかなかったものでございます。

停止液は酸性、クエン酸などの成分のあるものがあり、違いは何???となると思います。

以前の停止液は成分として酢酸(さくさん)が多く、まさしく酢の親玉のような強烈な刺激臭がします。

クエン酸は、成分として毒性が低く、刺激臭もしないので女性にも扱い易いものです。

なおかつ廃棄についてそこまで神経質になる必要もない利点がございます。

そもそも停止浴には現像しすぎるのを防ぐ役割と現像液を中和し、定着液を汚染から守る役割などもありまして、決して疎かにはしてはならないプロセスであります。

時間にして15秒から30秒ほどであります。普通の水ではダメなのか?という疑問があると思いますが、水で停止するという方もちらほら見かけますが、あれはプロセス的には現像液を洗い流す作業になります。その水でフィルムについた現像液を洗っている間も、付着している現像液によって進行している状態になりますので、おすすめはしません。なおかつ残った現像液によって定着液が劣化しやすくなります。

そして、定着液でございます。酸性、中性、アルカリ性の定着液があり、無臭であったりとさまざまです。

わたくしが一番おすすめなのはADOXのアドフィクスプラスであります。

バッファシステムと言われる液体を有しており、プリント作業においても劣化をしにくいという特性がありますので、おすすめです。

以前はフジフィルム系の停止液や定着液を使用していたのですが、フィルム自体をSPUR製やADOXやAGFAのものに変更などしたために、今はフジフィルム系などの薬品は使っておりません。(それがダメというものでもないのでご安心ください)

アクロスフィルムなども残念なことに材質が変わってしまって、あまり使わなくなってしまいました。世の趨勢のため仕方ないことなのかも知れませんが、悲しいことであります。

現像における停止や定着は大切なプロセスの一環であります。

ここを疎かにすると数年後に後悔することにもなりかねませんので、作業中も気を緩めることなく、最後までしっかりとネガを作成することにしております。

こういった脇役達の話題でもっても、フィルム全盛の頃よりも進化していることに気付かされます

実を言うとフィルム写真に関しては、衰退しているのは日本が顕著だと言うことにもつながります

海外の写真はデジタルとフィルムは別のものという感覚であります。日本ほどごちゃ混ぜにされている国の方が少ないものです。

現像をし始めると海外の写真家の作品の高度さに驚嘆することになると思います。

モノクロフィルム写真についても、もっとたくさんの方達が取り組める環境になるようにと常に思っております。

なんの力もございませんが。。。

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