昨日、福岡の北九州市の旦過市場が火事によって40店舗が被害に遭われました。
大正時代に市場としての機能が始まって以来北九州市の台所の位置付けで発展して、その文化は確実に根付いておりました。
再開発のため今年から徐々に工事が始まる矢先の出来事でございました。
去年あたりに再開発の話を聞いたので、最後の姿をわたくしなりに残しておこうと思った次第で撮影をさせていただきました。
撮影の際に旦過市場の担当の方は丁寧で誠実なかたでございました。
失われていく人々の記憶と文化。
再開発で変わりゆく前に店主の方達も最後のお別れをしたかったものでありましょう。
それが突然の別れとなってしまったやるせなさは察するに余りあります。
新しく生まれ変わっていくものもあるとは思いますが、その中で記憶は薄れ行って、そこに培われた心の交流も歴史の中で語るものがいなくなっていく。
わたくしたち写真に携わるものにとって消えていく記憶を記録しておくのもひとつの仕事であると感じる次第でございます。