わたくしはカメラマンではございません。これはとても重要なファクターでございます。
なぜなれば、被写体を綺麗に美しく捉えるのがカメラマンで、被写体を通じて表現を行うのが寫眞家であると思っているからでございます。
ディティールが重要でございます。たとえそこに写っているものがざらついていようと、粒子も破綻していようと、そこに感じるものがあることこそが大切であります。
綺麗な写真を撮ろうとするならば、フィルムである必要はございません。
デジタルで撮ればよほど近道であります。
昨今のコンテストなどは、データでの応募も多く、預かったプリントなどは主催者が破棄することもあり、フィルム写真でコンテストに応募するのも躊躇されることが多くございます。
同じプリントを複製できるわけがないのをわかっていない審査員が当たり前になっております。
わかっているというのならこれほど無礼なことはございません。
左がiPhoneで右がハッセルでありますが、わたくしが伝えたいのは右の写真の静けさなのであります。
美しさを捉えることの先にあるもう一歩。
これこそが本質だと感じる次第であります。
綺麗な写真を追いかけることはもうわたくしの背中にある。
自然の本質にある、人間との一体感が写真に宿るように切磋琢磨していくのであります。