20日、船に乗りふたたび宗像の大島へ
この日は朝から大荒れの天候で波も高く、船はジェットコースターのように縦に揺れ横に揺れておりました。
幸いわたくしは船酔いはしない質でありまして、おお揺れてるなくらいのものでしたが、この日は団体の小学生が多数乗り込んでいて揺れるたびにわーわーきゃーきゃーと歓声をあげておりました。
中には耐えられずにへたり込んでしまった子もいて、引率の先生方もあっちへフラフラこっちへフラフラしておりました。
大島へ着くと突然の大雨。
ざーっと音がするくらいのものでしたが、ものの数分で上がり、ああよかったと安堵しつつ、まず一つ目の目的地である風車展望台へと向かうのでございました。
山道も山道でありますので、観光バスに乗って向かい、数十分ほどでつきまして、砲台前駅で降ります。
ここから見える風景のなんと美しいことか
しかも、年に数回しか見ることの出来ない沖ノ島まで見えて幸運に恵まれていると思いながら、撮影開始。
風車展望台の姿は屹立した一つの碑のように堂々と海からの強風とわだつみの声に晒していました。
撮影した場所は砲台跡でありまして、日露戦争時から大島に向かうまた本土へと向かう敵戦艦を監視していた場所でございました。
見張り台から見える風景は、遠く水平線を捕らえながらも、この地で雨の日も風の日も何年もの間見張りについていた兵士の方の心情を想像させるにふさわしい場所でございました。
一人この中に入って見ると言いようのない孤独感とともに吹き荒ぶ風の音に心地よさも覚え、戦時下の日本でここにいた兵士の方は何を想っていたのでございましょうか。
なんとも絵になる風景に夢中でシャッターを切り続けました。
あらかた写真をフィルムに収め帰りのバスでとりあえず別の場所に向かうことにいたしました。
しかし、そこでこの旅最大のパプニングと言いましょうか、生死の境を彷徨うハメになるのでございます。
バスに乗り込み運転手の方に「どこで降りる予定ですか?」と聞かれたわたくしは気になっておりました灯台に行けますか?と聞いたところ「灯台には行かないけど、歩いて1時間くらいのところだよ。遊歩道を歩いて行ったら確か着くよ。古い建物だから写真を撮りに来たなら行って見るといいよ。俺は行ったことないけどね」と。
そう言われると行ってみたくなるではありませんか。
わたくしは勇んで灯台へと向かうのでございました。そこに待ち受ける困難は露とも知らずに。。。