写真を撮るものに最高の贈り物とは、この地球そのものではないでしょうか。
これほど色鮮やかで光と影に満ちた世界は、なかなかあるものではございません。
被写体にも事欠かず、人という美しい生物もいれば、動物たちも美しく、虫の世界の写真を撮られている方もいらっしゃいます。
どこにいても、題材に事欠かないというのは最高の環境でございます。
目を見張るような雄大な自然もあれば、身近な何気ない風景さえも光と影によって表現の形となるのはどの芸術家にとってみても素晴らしきことであります。
人が生きている限りは、自分自身が生きている限りは、認識がある限りは、表現をするものにとって溢れんばかりの豊かさでございます。
なぜならば、この風景は作ることができません。街並みにしても、わたくしは見つめる者であってそれ以上ではありますまい。
ビルを作る方がいれば、船を持つ方、橋を作る人々、家を作る人、木や川や海や空を作る原子。
それらをわたくしは共有させていただいております。
なんら、所有権は持っておらぬものでありますが、美しい作品を作るために、使用させていただいておるのであります。
こんな幸運なことはございません。
生きながらにして幸運な者と全ての方にしても言えるのではありますまいか。
ただ認識ができるということ、それら全ての根源は命であります。