今回、機会を得て歴史ある大丸別荘様の大正亭の改修工事に差し当たって、現在の姿をフィルム写真で撮影させていただきました。
このような機会を与えてくださった大丸別荘関係者様には御礼申し上げる次第です。
モノクロフィルム写真の美しい諧調によってこそ歴史的な建築物の美しさは映えます。








一部ですが、掲載いたします。また貴重なものとなる写真ですので複写・二次利用については禁止いたします。
データは劣化していき、紛失、アップデートなどによる破損など絶対的な保存方法とは言えません。
ネガが存在すること、形であることが保存保管において圧倒的に優位性があります。もちろん、ネガも紛失などの恐れもありますが、データのように埋没することもなくCFなどが使用できなくなることもパソコンによっては読み込み不可も可能性として高いことを考慮すれば、丁寧に保管することによって長く誰かにこの歴史を伝え続けることができます。
日本の素晴らしい先達たちの才能を若い世代に残していかなければ、文化が人の感性を育てることをしなくなったら、人を知るということを失います。
それは思いやりであったり、優しさ、日本人が世界に誇ったものです。
今の時代だからこそ、人を知るということを忘れてはならないと思うのです。
大正・昭和の詩人、小説家など、和室の部屋の中で、自然の中の美を見つめながら今の時代には思いもつかぬ物語を作ってきました。
宮澤賢治などは、岩手の盛岡の原風景に身を置きながらも、心揺さぶる情緒に溢れた詩を残し、なおかつ夢に溢れ、星々の光に彩られた銀河鉄道まで作り上げ、人々の心に優しい光を灯しました。
便利な世の中になり、誰もがつながり合う世界になったのに人の心は離れていくばかり。私は、どんなに馬鹿にされても役立たずだとしても、詩を書き、写真を描き誰かの心に光を灯したいと思うのです。
美しいものを自分の技術によって残していきたい。文化が絶えてしまう前にできることをしたいと思う。
今が最後の日本という美しい我が国の瀬戸際です。
自分ができることは写真を、自分が美しいと思う写真を残していくことが文化を継承していくこととなると信じて、作品も制作し、記録も残し、誰かが喜ぶ写真を撮り続けていく所存です。
今回の大丸別荘での撮影は写真家としての誇りです。
また残りの写真は折りを見てアップしていきます。
信じてくれる人だけで構いません。
ただひたすらに私は歩んでいきたい。