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暗室作業中

個展に向けて連日、暗室で写真を焼いております。

アグファの期限切れの印画紙なども使っていますが、やはり昔の印画紙は性質がいいですね。

期限切れなのでかぶっているのも多少はありますが、それでも出来はいいです。

しかし、そればかりを使っていても数に限りはありますので、今回からイルフォードの印画紙を使用していくことにしました。

アート300という印画紙は卵の殻が利用されていて、独特の風合いを持ったものです。

今回の個展のネガに最適なものもあったので、今後利用していきたいと思いました。

そういう発見もあるから暗室は楽しくて仕方ないですね。

まあ、それにしてもやはりお金がかかります。

芸術を目指すと決めたらそれは覚悟しなければなりません。自分をゴッホくらいに才能ある人間と思っていないと、このお金との格闘に耐えられません笑笑

大いなる勘違いを子供のように信じているのです。(そうしないとやってられるかい笑)

お金を稼ぐ才能は皆無ですから、もうそこに対しては諦め切っています。今までどんなに泣かされてきたことか。女性にも泣かされてきましたけども。

金難女難は運命と受け入れています(笑)

自分で言うのもなんですが、繊細すぎて、感性が鋭すぎて、社会生活というものが苦しくて仕方ありません。

だからこそ、美しいものを追い求めているのだと思います。

そういった背景があるからこそゴッホの才能は磨かれていったのでしょう。

命懸けでなければ、見えてこない景色があります。

実際、これまでも何十回と死のうと決意して、また実行したこともありましたが、それでも神は生きて写真を作れと言います。

なんの因果かわかりませんがやはり生きて、美しい写真を見た方が、苦しい世界の中に一点の光り輝く美があると思った時、友人や家族にまるでいい夕日だったね。きれいな海だったねと話すようなそんな時間をもたらすようなものを作っていきたいと思っているのです。

自分はフィルム写真にその光を見たのです。

それを同じように感じて、明日もまた生きていこうと思ってくれたなら、その人は自分の友人だと勝手に思っています。

一緒に生きていこうと思ってくれた人だから。

そう思う人がいると思えると、苦しくても、叫びたいほど狂ってしまいそうになっても生きて暗室で美しい写真を作りたいと思うのです。

来年の個展で作品を見た人が、どんな人生を歩んでいるかはわかりません。もしかしたら、とても残酷な世界でなんとか生きようともがいているかも知れない。

そんな苦しさを一瞬でも忘れて、明日も頑張って生きていこう。この世界は苦しみばかりではないと思ってくれたら嬉しい限りです。

自分がどんなに苦しくてもその人を見た自分が救われるから。

明日もまた世界は残酷かも知れませんが、ヘミングウェイの言葉のように「この世界は美しい。戦うに値する」と思って写真を作り続けます。

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