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うらばなし 最後

裏話も最終話となりました。

最後を飾るのは角島の灯台の作品で2対として作ったものです。

ネガの状態ではかなり明るい写真です。夜の灯台の光なので。

手焼きの写真ではかなり背景を焼き込んでいます。

このままでもよかったかも知れませんが、締まりがないボワッとした写真ですので、灯台の光が闇を切り裂くような印象にしたくそうしました。

ライカを持ち始めた時のネガを思い返して引き伸ばしをする。

暗室はまさにタイムマシンの中です。これは自分が敬愛する写真家の方の言葉の受け売りですが、まさしくそう思います。

あらゆる時間軸を超えて、赤いセーフライトの中で過去に戻り、未来を作り出す。形として未来に残していく。

引き伸ばし機はさながらタイムリープの時間を設定する機械です。

暗室で作業をしているときただ写真と向き合う。

自分が残してきた足跡を確認するかのように、失敗も、下手な写真も全てが肯定され、上手い下手ではなく、自分の内面における表現を探る。

フィルム写真、アナログ写真文化が残っていくようにと願いつつ、これからも自分の表現に嘘偽りなく取り組むつもりです。

絵画の領域では、上手い下手いという感覚はないにも関わらず、写真のことになると急に技術的なことを言って上下を決め、比較されることがありますが、写真も絵画と同じように作者の表現の手法であるという領域まで到達できれば、更なる未来が広がると思っています。

そのために今日も私は暗室の中に乗り込み、過去に遡って、作品作りをしていきたいと思っています。

人間が人間のことを考えていた時代に。人間の時代を取り戻し、人が豊かになる時代を作るために、自分に与えられた写真を作るという表現を求め続けていきたいと思っています。

裏話はこれにて終わりですが、また何かブログでの個展の案内であったり報告であったりはしていくつもりですのでよろしくお願いします。

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