ここ最近はといえば、資料作りと次回の個展のためにテストの繰り返しをしていました。
自作の胸像ですが、これまたカメラを改造したものにdagorレンズを装着して、フィルムのテストを繰り返ししております。
やはり、100年前のレンズといえどdagorのレンズは驚異的な描写を見せてくれます。
設計はエミール・フォン・フーフですが、肖像画を見た時の印象は魔法使いかと思う風貌です。
彼はアナスチグマートを含む対称型6枚構成のレンズを独学で設計し、カール・ツァイスに売り込んだようですが相手にされず、ゲルツに就職し、特許を得てドッペルアナスチグマート・ゲルツと呼称し頭文字をとってdagorとなったとのことです。
使用したフィルムはfoma retropanというかなり粒子が粗く、ハイライトも沈む特殊なもので、使いづらいものにはなりますがえてして、こういう写真を作ることができることがあります。
使用しているレンズは、ジャンク品として出されており、誰ももう使わないであろうものでした。
大判レンズの範疇に入るものですし、かなり汚れもひどかったです。
購入金額も5千円にもなりません。
そのレンズを綺麗に汚れを落として、マウントを改造して、使えるようにしました。
このdagorが蘇って、私の写真を作る手伝いをしてくれています。
155年前の天才エミール・フォン・フーフが作ったこのレンズが長い時を得て、私と縁を繋いでくれたことに感謝です。
この写真はあくまでもまだテストの段階ですが、一枚の写真が新たなインスピレーションを爆発させる瞬間があるものです。
オールドレンズといえど、現行機にも一切引けを取ることのない描写を突き詰めていこうと思っています。