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福岡アジア美術館「幻日曳航」展初日

ようやく個展「幻日曳航」展、開催となりました。

ここまでに至る道は平坦ではありませんでした。時に馬鹿にされ、侮られ、裏切られ、悔しさに眠れない夜を過ごすことも多かった。歯が割れるほどの悔しさと怒りに苛まれ続けたこともありました。

それでも、このアナログ写真文化を残していきたい。それが自分の見つけた生きる道なのだと信じてここまできました。

自分で選んだ道だからこそ、誰にも相談できない苦しみというものがあります。

しかしながら、まだここからです。

最初の一歩をやっと踏み出したに過ぎません

本来であれば何十年と試作と研鑽を重ねた方こそ個展を開くべきであり、それでこそ文化の下地となると思います。

けれども、今の時代はとても厳しく、人生の速度は留まることをしりません。

生活は待ったなしで迫り、生きていくことだけで精一杯です。

写真だけで生活しようというのはこの日本では大変難しい事なのかもしれません。

趣味でやっていけるほど器用にもなれず、介護しなければならない母を抱え、自分の人生の重みに耐えられもせず、写真への情熱をもって生きていくことほど困難なことはありません。

何人もの何十人何百人もの才能ある人たちが去っていきました。

自分は写真に生きて写真に死ぬと決めております。

何度も何度も死を考えて、まだ作りたい写真が残っているのだと今も歯を食いしばって生きています。

その苦しみは普通に生きることが出来ない人間の言いようのない底知れぬ恐怖でもあります。

ただ、生きていこうと思える写真に出会った感動を自分は知る事が出来たから踏ん張っています。

同じようにこの気持ちを持っていただけるような写真を死ぬまでに作りたい。

誰かの気持ちを1ミリでもいいから、前向きにさせるような写真を作りたいと思って今も生きております。

そんな想いを自分の辿々しい話し方にも関わらず、協力してくれる方がいらっしゃる。

それがたまらなく嬉しく、心の底からありがたいと思う日々なのです。

その想いを形にしたのが、今回の個展となります。

たくさんの方のご縁をいただくことができ、また明日からの展示で更に広がることを楽しみにしております。

まだまだ写真の技術も未熟なところもあると思いますが、更なる向上に向けて取り組む次第ですので何卒よろしくお願いします。

一枚でも、何かのキッカケになる写真と出会えていただければと思います。

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