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写真を撮ることは

写真を撮ることは、自然の小さな声を拾うことと同じであります。

そこに生きる人の営みも全て内包した静かな囁きをフィルムにおさめていくのであります。

浜辺の砂を見れば昨日は風の強い日だったのか、穏やかな日だったのかもわかります。

雨雲が晴れていき、綺麗な夕陽が出れば明日は晴れるだろうことがわかります。

自然の声はその時々に常に私どもに語りかけてきております。

そんな声に耳を傾けて写真を撮ればいいだけなのであります。

それだけで美しいものでありますので、それだけで完璧な世界なのでありますので、素直に我を張らずフィルムに収めれば、何の衒いもなく引き伸ばせば美しい写真ができるのです。

それを比較したり、貶めたり、人間社会の物差しで図ろうとしなければ写真はシンプルであるだけで済む話でありますので、私は常に自然に身を置くときにはただ喜びに浸っております。

ここの部分の美しさが自分の中にもあるところを探ってシャッターを切るだけなのです。

どこを切り取っても全てが美しいのが自然の風景というものです。

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