第2日目の朝。
時間は止まり、わたくしが写真を撮る際に命題にしている永遠を表しているかのような光景に目が覚めました
悠久の時を経て、時間という概念を超えた先にある風景を写真に収めること、それは自然が持っている特製であり、抗い難い衝動でもございます。
朝の時間もたっぷりと撮影をさせていただき、午後からは由布岳の方へと向かった次第であります。
いつもの魔女の森と呼んでいる秘密の場所へと足を運び、由布岳のを少しばかり登って大好きな一本木を眺めながらの撮影。とても充実していて、なにも雑音の聞こえないこの景色の中、地球の鼓動を、息吹を感じておる次第でありました。
ちょうど雲もかかって光の筋が由布の草原の丘を照らし出す様は、雄大な力強さと柔和な優しさを感じ、さながら荒々しい男の由布岳を優しく包む女性のような風景に見てとれたものでございます。
夕方には撮影を終えて、いつもの狭霧台へ。
少しばかり冷たくなってきた風を感じながら、漠然と風景を眺めておりましたら、次から次へと美しい夕日を見に人が集まってきておりました。
どんなに辛く険しい人生であっても、この瞬間は人々は笑顔で話し合える光景を見ていると、戦争や差別やそのほかの悲惨な出来事もこの美しさの前にあっては全てが消えてしまうのだと思ったら、わたくしが撮っている写真で同じように感じることが出来る人が一人でもいてくれたなら、それでわたくしの人生は成功なのだと思う次第であります。
総じて、わたくしの撮る写真はこの瞬間の連続にあり、平和への祈りであります。もうこの世界に戦争という不条理に命を奪う所業を国家が成さぬ時代を、人を作ることを成すべきであると思っておるのであります。
帰り道に今日の夕日は綺麗だったねと笑って話し合える時間をもなくならない世界であってほしいと切に願っております。